「全員で戦おう」常葉大菊川、主将不在で強めた結束 センバツ
第97回選抜高校野球大会に出場する常葉大菊川(静岡)にとって大きな糧となったのが、昨年10月の秋季東海大会準決勝だった。大黒柱の主将を欠きながら、序盤の4点差を覆して至学館(愛知)との接戦を制した。ピンチを乗り越えて高めたチームワークで2年ぶりの甲子園に挑む。
◇大黒柱が不在も
今年1月、センバツ出場の吉報に沸く選手たちの中心には橘木千空(たちばなきちから)主将(3年)の姿があった。チームメートに肩車され、喜びをかみしめた主将は「チーム全員で優勝を目指してやっていきたい」と意気込んだ。
昨夏まで4番だった橘木主将は、昨秋はリードオフマンとして大活躍。東海大会初戦となった中京(岐阜)との2回戦は1番打者として一回から4打席連続で長短打を放ち、勝利に大きく貢献した。一塁手としても、人一倍大きな声を出し、まさにチームのけん引役だった。
ところが、2回戦の後、高熱で体調不良に陥った。準決勝は京都市の実家で療養を余儀なくされ、背番号3のユニホームだけがベンチ入りした。
その準決勝は二回までに4点を先行されながら、中盤の集中打で追いついた。七回は「代役」が活躍。橘木主将に代わって1番・一塁に入った佐藤大介選手(2年)の安打を足掛かりに、主将代理で二塁手で出場した佐藤大加良(たから)選手(3年)の適時二塁打で勝ち越した。大村昂輝投手(3年)、町田稔樹捕手(3年)のバッテリーも、中盤以降は配球を工夫して見事に立て直した。
◇「やり切れたことが自信に」
町田捕手は「秋は、バナキ(橘木)が本当に頼もしかった。でも準決勝は、他の選手の良い所が出た」と振り返る。
例えば、佐藤大加良選手。上位を担う打者としても内野手としても力があり、副主将も務める。しかし、石岡諒哉監督(35)に「おとなしい」と評されるように、チームを引っ張るタイプではない。それが、主将不在の準決勝では「全員で戦おうという雰囲気を作ろうと努めた」と率先して声を出し、代役を務めた。「バナキがいない中で自分たちの野球をやり切れたことは、自信になった」と佐藤大加良選手は言う。
◇「チームの力に」後輩も奮起
この試合は、伸び悩んできた後輩にも力を与えた。佐藤大介選手は投手として期待されながら、けがで1年夏まではチャンスをつかめなかった。至学館戦が公式戦初出場。決勝も出場し、2試合で計5安打2打点をマークした。「野手として良い結果を残せたことが、自信になった」と振り返る。秋季大会後は投手としても「自分がエースを目指すことが、チームの力になる」と奮起し、公式戦未登板ながらセンバツの背番号1に抜てきされた。
甲子園を前に、先頭を切って練習に臨み、課題を発見すると練習を止めてでも話し合いの口火を切るのは橘木主将で、大黒柱の存在感は揺るがない。それでも、秋季大会後は「一人一人が積極的に発言するようになった」と橘木主将は実感している。一回り強くなった結束力で初戦の聖光学院(福島)戦に臨む。【藤倉聡子】
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