東京地裁、25日に旧統一教会側を呼び出し 解散命令、法令違反が焦点

2025/03/22 21:11 

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する文部科学省の解散命令請求を巡り、東京地裁が25日に教団側に対して裁判所に来るように求めたことが関係者への取材で判明した。地裁は事実上、請求の審理を1月に終結しており、25日にも可否について判断を示す見通しだ。

 文科省は2023年10月、霊感商法や高額献金などの金銭トラブルに教団が組織的に関与し、教団の損害賠償責任を認めた民事訴訟の判決が多数あるなどとして旧統一教会に解散命令を出すよう地裁に請求した。

 宗教法人法81条は「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」を解散命令の要件としている。

 これまで教団側は「被害は明確でない」などと反論し、政府による解散命令請求は「宗教迫害」と主張している。

 一方、教団の元信者5人が22日、東京都内で記者会見し、現役信者に「教会をやめても地獄には行きません。家族にうそをつかなくてもよくなります」「一度、外の空気を吸ってください」と脱会を呼びかけた。

 会見は、教団による被害の救済に当たる全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)が開いた集会の最後にあった。30年ほど信仰していたという男性は「教会の中にいると、思考停止する。多くの人から巻き上げた献金、犠牲の上に信仰が成り立っていることを知ってほしい」と訴えた。

 全国弁連は「誠実な対応と謝罪のうえで賠償」するよう求める声明を公表。東京地裁が解散命令を出した場合、教団側が財産や、加害の証拠を隠すことが想定されるとして、教団の財産を元に被害者対応に当たる清算人の権限を「明確に、強く」するよう訴えた。【春増翔太】

毎日新聞

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