米政権が軍事計画を記者に誤って共有 フーシ派攻撃のタイミングなど

2025/03/25 09:39 

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 米軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派に対して実施した15日の空爆に関して、事前に計画が報道機関に共有されていたことが判明した。通信アプリのグループチャットでトランプ米政権の閣僚らから実際に情報を共有された米誌アトランティックの編集長が24日、報じた。政権側が誤ってチャットに編集長を招待したとみられ、機密情報の管理の在り方が問われそうだ。

 アトランティック誌のゴールドバーグ編集長が報じたところによると、使用されたアプリは暗号化メッセージを送ることができる「シグナル」。ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と同名の「マイケル・ウォルツ」と名乗る人物から11日にチャットへの招待があり応じた。ウォルツ氏のほか、ヘグセス国防長官、バンス副大統領、ルビオ国務長官ら計18人の名前があるチャットのグループが作成されたという。

 米軍がフーシ派に攻撃を始める約2時間前、ヘグセス氏が攻撃対象や武器、タイミングなどの詳細な情報を共有。攻撃を開始した後も、最新情報が投稿されたという。ゴールドバーグ氏は当初、「なりすましによるわなではないか」と考えたが、やりとりの経過から「ほぼ間違いなく本物である」と判断したという。

 ヒューズ国家安全保障会議(NSC)報道官はアトランティック誌の取材に「本物のやり取りのようだ」と説明。「不注意」でチャットに追加された経緯を調査しているとした。

 米紙ニューヨーク・タイムズは、ヘグセス氏がシグナルという商業用の通信アプリで攻撃に関する情報を共有したことに関し、国防総省の複数の高官が「ショック」を受けていると報道。高官は、機密情報の取り扱いに関する法律に違反している可能性も指摘した。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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