日銀審議委員に小枝淳子氏就任 トランプ関税「大きな不確実性」

2025/03/26 19:59 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 日銀の新しい審議委員に元早稲田大教授の小枝淳子氏(49)が26日就任し、記者会見を開いた。小枝氏はトランプ米政権が打ち出す関税政策を念頭に「通商政策は足元で大きな不確実性の一つ」と述べ、世界経済に及ぼす影響を注視する姿勢を示した。

 国内経済については「賃金と物価の好循環というステップが確認されている」との認識を示した。3回にわたる段階的な利上げへの評価を問われ「『金利のある世界』になってからそこまで年月がたっておらず、日本経済がどう反応していくか見届けていく必要がある」と言及したが、利上げペースを巡る見解ではないと強調した。

 小枝氏は2005年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で経済学博士号を取得後、国際通貨基金(IMF)でエコノミストとして勤務。その後、東京大学特任講師や早稲田大教授などを務めた。

 21年6月から審議委員を務める中川順子氏と合わせて女性メンバーが2人になるのは、1998年の新日銀法施行後で初となる。小枝氏は「女性に限らず、多様なバックグラウンドを持った人が意思決定に関わっていくことは望ましい」と述べた。【浅川大樹】

毎日新聞

経済

経済一覧>