旧ジャニーズ問題から「学び得られなかった」 フジ第三者委会見

2025/03/31 19:14 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルを巡る一連の問題で、フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)が設置した第三者委員会の調査報告書が31日、公表された。記者会見した委員長の竹内朗弁護士は旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.=スマイルアップ)創業者のジャニー喜多川元社長(2019年死去)による性加害問題に触れ「そこから学びを得ることができなかった」と語った。報道陣との主な一問一答は以下の通り。【デジタル報道グループ】

 ――テレビの信頼性が急激に瓦解(がかい)していくのではないかということを危惧している。(弁護士の)先生方はどういう気持ちで報道機関の調査に当たられたか。調査の結果を評価するならばどのくらいの点数がつけられるか。

 ◆(竹内氏) 委員3人は、いろいろな企業の不祥事の調査業務や調査委員会業務にこれまで多く携わってきた。そういう中で、今回の問題も一つの企業で起きた問題であり、それが経営の問題にまで至ったという観点で調査してきた。

 報道機関でもあり、自己検証すべきじゃないかという意見かと思うが、それも一つの見方だと思う。ただ、一つは、フジテレビの報道局もフジテレビという一つの組織体の一部である。フジテレビ自体が今、信頼を失っている。その時にフジテレビの一部局である報道局が調べたものを、ステークホルダーが信用してくれるのかという問題がやはりあるのではないかと思っている。

 もう一つは、旧ジャニーズの性加害問題のときにフジテレビは検証番組を作った。そこでは報道局も検証番組を作る主体となって、報道番組を作って放映したが、私どもはその検証が足りなかったという判断をしている。

 あくまで自己検証に終わって、客観的な検証、調査がなされなかった。だから、そこから学びを得ることができなかったと報告書で書いている。そうした二つの意味から今回の問題をフジテレビの報道局だけで検証することでは足りなかっただろうと考えている。

毎日新聞

社会

社会一覧>