東京五輪談合、電通など7社に計約30億円の課徴金 公取委方針

2025/04/04 02:00 

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 東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で、公正取引委員会は3日までに、広告最大手の電通グループ(東京都港区)など8社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、うち7社に総額約30億円の課徴金納付を命じる方針を固めた。関係者への取材で判明した。処分案を通知し、意見を聞いた上で最終決定する。

 関係者によると、課徴金納付命令の対象は、電通グループと事業会社の電通(港区)▽博報堂(同)▽東急エージェンシー(同)▽セレスポ(豊島区)▽セイムトゥー(港区)▽フジクリエイティブコーポレーション(江東区)――の7社。この他、ADKマーケティング・ソリューションズ(港区)も調査対象だったが、公取委に談合を自主申告したとみられ、課徴金減免制度(リーニエンシー)によって課徴金納付を免れる見込み。

 ADKを含む8社は2018年2~7月ごろ、組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務(契約総額約5億円)や本大会の運営業務など(同約432億円)で、競技会場ごとに受注する社を調整。互いの競争を制限したとされる。

 談合事件の刑事裁判では、テスト大会の一般競争入札における談合を認める一方、随意契約だった本大会については談合を否認するケースがあった。独禁法違反の課徴金は不当な売り上げを基に算出するため、本大会の契約を談合と認定するかどうか、公取委の判断が注目されていた。

 関係者によると、テスト大会の競技会場ごとの落札者を本大会の運営業務などでも同様に振り分けて受注するスキームが、電通グループなどを通じて各社に伝達されていたことが判明。公取委は、テスト大会の入札結果の持つ意味合いが共通認識となり本大会でも受注調整が行われたと判断し、本大会の契約額を不当な売り上げとして課徴金額を算出した模様だ。

 課徴金納付命令の他、公取委は電通グループを除く7社に対し、再発防止を求める排除措置命令を出す方針も固めた。電通グループはすでに持ち株会社へ移行して事業を電通に譲渡しており、再発の恐れがないとして除外。ADKは命令対象に含むとみられる。

 公取委は刑事罰を前提とする「犯則事件」として、23年に関係者らを独禁法違反容疑で検事総長に刑事告発したが、これとは別に独自の判断で今回の処分案を決定した。【山田豊、渡辺暢】

毎日新聞

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