「帰ってきてほしい」 3人死亡の医療ヘリ事故、悲嘆の声相次ぐ
長崎・壱岐島沖で起きた医療搬送用ヘリコプターの事故は、搬送中に犠牲となった患者の本石ミツ子さん(86)や付き添っていた息子の和吉さん(68)の知人、離島医療に携わる医療関係者らに衝撃を与えた。
「ものすごくいい人でした。帰ってきてほしい」。和吉さんを知る長崎県対馬市の70代女性は言葉少なに語った。
周辺住民らによると、ミツ子さんの家は代々農家で、和吉さんは母親から継いだ田畑で農業を営む傍ら、建築関係の仕事に励んでいた。女性によると、畑を耕したい時や台風で庭木が倒れた時など、和吉さんに頼めばすぐに駆け付けて手伝ってくれたといい「集落の困り事を何でもやってくれた。本当に働き者で親孝行な人だった」と惜しんだ。
ミツ子さんの近所に住む90代の男性はニュースで事故を知ったという。「突然のことで驚きが一番。本気でさみしい」と肩を落とした。
男性はミツ子さんと互いの家庭菜園で取れた野菜を届け合う仲で、数週間前にも庭で取れたキャベツやブロッコリーをミツ子さんに届けたところだった。「花が好きな人で、庭で育てた花がいつも玄関に飾ってあった。とても感じが良かったのに」と絶句。離島の医療を支えてきたヘリの事故にショックを隠せず、「私の娘もお産の時にお世話になった。これまでたくさんの人の命を救ってきたヘリでこんな事故があるとは、言葉にならない」と漏らした。
「大変ショックでした」。長崎県の離島・五島列島で医療に携わる一方、後進の育成にも取り組んできた長崎大離島医療研究所長の前田隆浩教授は悲嘆を隠さない。
前田教授によると、離島には一般的に常勤医が少ない上、必要な専門医療が提供できない場合はヘリや高速船などで患者を搬送する必要があるという。
前田教授は亡くなった医師の荒川渓さん(34)について「リスクをいとわずあえて救急ヘリ搬送に携わっていたのは、離島の人々に貢献したいという非常に高い志を持っておられたからだと思う」とたたえた。
その上で、日本の医療の現状について「人口減少の段階に入る中で、専門医療がそろっていない地域は今後さらに増える可能性がある。その中で患者をどのように搬送するのかは全国共通の課題だ」と指摘した。
事故が起きたヘリの機体は白く、「ホワイトバード」と呼ばれていた。ミツ子さんの搬送元だった長崎県対馬病院(対馬市)の担当者は取材に「ホワイトバードは離島医療には必要な存在だっただけに、大変残念な結果だ。まさかこういう事故が起こるとは予想もしていなかった」と声を落とした。対馬市医療対策課の担当者も「ホワイトバードはありがたい存在だった。今後の対応は検討中だ」と話した。【山口響、竹林静、平川昌範】
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