東京都内の高級ホテル15社、カルテルの疑い 公取委が警告へ

2025/04/17 10:14 

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 東京都内でホテルを運営する15社が価格カルテルにつながるような非公開情報などを定期的に交換していたとして、公正取引委員会は近く、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで再発防止を求める警告を出す方針を固めた。関係者への取材で判明した。

 関係者によると、「帝国ホテル」や「ホテルニューオータニ」などの高級ホテルを運営する15社の営業担当者らが毎月1回ほど集まり、各ホテルの客室の稼働率や平均単価、予約状況などの情報を共有していた。会合は「FR(フロントリザベーション)会」と呼ばれ、各ホテルの持ち回りで開き、数十年前から続いてきたとみられる。

 独禁法は、複数の企業が価格などを話し合って決定するカルテルを「不当な取引制限」として禁じている。15社の会合では経営戦略や宿泊料金の設定に関わる機微な非公開情報もやりとりされており、公取委は、宿泊料金の引き上げや維持などを図る価格カルテルにつながる恐れがあると判断した模様だ。

 一方で公取委は、価格カルテルを認定せず警告にとどめることで早期の是正を促す方針とみられる。15日ごろまでに警告内容を各社に通知しており、意見を聞いた上で最終判断する。

 また、ホテルの営業担当者らが経営上の情報を交換する会合などは都内の高級ホテルにとどまらず、ビジネスホテル間や同じエリアにあるホテル同士など、さまざまな層で行われている可能性があるという。【山田豊】

 ◇警告対象のホテル(50音順)

浅草ビューホテル▽グランドニッコー東京台場▽京王プラザホテル東京▽ザ・プリンスパークタワー東京▽シェラトン都ホテル東京▽The Okura Tokyo▽セルリアンタワー東急ホテル▽第一ホテル東京▽帝国ホテル東京▽ハイアットリージェンシー東京▽パレスホテル東京▽ホテル椿山荘東京▽ホテルニューオータニ▽ホテルメトロポリタン(池袋)▽ロイヤルパークホテル

※取材に基づく

毎日新聞

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