核ごみ最終処分場調査の佐賀・玄海町 住民とNUMOが初「対話」
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、文献調査が実施されている佐賀県玄海町で、住民らが意見交換する「対話を行う場」が初めて開かれた。施設が造られれば長きにわたり地域に影響を及ぼすため、地域住民の事業への理解を深めることは欠かせないが、いかに中立性を確保できるかなど課題は少なくない。
対話を行う場は、最終処分場を選定する原子力発電環境整備機構(NUMO)の「文献調査実施細則」で円滑な設置を求めており、国の最終処分に関する基本方針でも、住民の対話の重要性を強調している。
2024年6月に文献調査が始まった玄海町では、町民有志4人が実行委員会を組織して主催。NUMOによると、20年11月~24年11月に全国初の文献調査を実施した、北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村では、NUMOが前面に出てそれぞれ20回程度開催した。だが、「参加者の広がりを欠いた」との反省を踏まえ住民主体とした。玄海町では今後3カ月に1回程度で開催し、参加者も毎回入れ替える方針だ。
町役場で開催された17日夜の初会合には、町民18人が出席。うち14人は区長会や町内の各種団体のメンバーで、一般公募は4人だった。実行委の八島一郎委員長は「皆さんと一緒に勉強させていただきたい」とあいさつ。来賓として出席した脇山伸太郎町長は「(最終処分場の問題は)全国レベルで議論する問題だ」と従来の考えを繰り返した。
約2時間のうち約40分間を割いて、NUMOの職員が地層処分の方法などを説明。処分場の適否を示す国の「科学的特性マップ」で、地下に炭田がある町のほぼ全域が「好ましくない特性がある」地域に当てはまることについては、「複数の文献で炭田分布域の表現が異なり、詳しく調べてみる価値がある」と理解を求めた。
NUMOによると、その後の非公開の「グループ討議」では、調査のプロセスに関することや「処分施設ができたら、町民は移転するのか」といった質問が出て、NUMOや経済産業省の職員が答えたという。
一般公募で参加した50代男性は取材に「議論をするにはまだ情報が少ないが、基礎的な知識を得られたのはよかった」。別の男性(87)は「意見を言う時間が足りなかった」と話した。
【成松秋穂、森永亨】
◇高レベル放射性廃棄物の最終処分場
原子力発電所の使用済み核燃料を再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を専用の容器に入れ、地下深くに埋めるための施設。保管は数万年以上に及ぶ。選定調査は、文献調査(2年程度)▽概要調査(4年程度)▽精密調査(14年程度)――の3段階がある。
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