旧統一教会2世の氏名変更認めず 即時抗告を棄却 東京高裁

2025/04/28 20:03 

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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者を両親に持つ「宗教2世」の男性(37)が、両親や教団と無関係の氏名への変更を求めた家事審判で、東京高裁は、申し立てを却下した1審・東京家裁の決定(2月)を支持し、男性の即時抗告を棄却する決定を出した。男性が28日に都内で記者会見し、明らかにした。

 戸籍法は、名字の変更に「やむを得ない事由」、名前の変更には「正当な事由」がそれぞれ必要だと定めている。男性は現在、戸籍上の氏名は使わず「野浪行彦」を名乗っている。

 野浪さん側は審判で、信者の両親と同じ名字で苦痛を感じている、名前は「教団の家庭局から命名された」と主張した。しかし、21日付の高裁決定は、名字は両親が婚姻の際に一方の名字を選択したに過ぎないと指摘。名前も日本で一般的なものだとして、変更に必要な事由には当たらないと判断した。

 野浪さんは記者会見で、最高裁に不服を申し立てたとした上で、「教団の一員だと感じる名前が変えられないことは人権問題だ。個人として尊重される名前が欲しい」と語った。【安元久美子】

毎日新聞

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