獣害で奈良・桜井の「笠そば」半年休業 シカにソバの実食べられる

2025/04/28 20:08 

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 地元産ソバだけを使った打ちたてのそばが味わえる奈良県桜井市笠の人気そば店「荒神の里・笠そば」(山本信広社長)が、30日から半年程度の臨時休業に入る。シカによる獣害でソバの実を十分に収穫できなかったためで、新ソバ収穫後の11月初旬の営業再開を目指している。

 「笠そば」は笠地区の住人らによって2002年に設立された有限会社。地区内の畑でソバの実を栽培し、店の食堂で「ひきたて、打ちたて、ゆでたて」の「3たて」のそばを提供している。

 山本社長によると、近年は10~12トンを収穫しているが、昨秋は獣害のため約3・5トンにとどまった。シカが獣よけの電気柵を飛び越えて畑に入り、ソバの実を食べ荒らしたらしい。他地域産のソバの使用も検討したが、地元産へのこだわりから店舗営業を断念。関連商品の乾めんや「そばかりんとう」の販売も停止するという。

 休業は正式には5月1日からだが、4月30日はもともと定休日のため、29日が休業前の最後の営業となる。山本社長は笠そばファンに向けて「苦渋の決断。獣害対策を見直し、新ソバの季節には必ず営業再開します」と話している。【望月靖祥】

毎日新聞

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