歌舞伎座に響く「音羽屋」 八代目尾上菊五郎さん襲名興行始まる

2025/05/02 21:24 

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 東京・歌舞伎座で2日、「團菊祭五月大歌舞伎」が初日を迎え、尾上菊之助から歴史のある大名跡へ名を改めた八代目尾上菊五郎さん(47)の襲名披露興行が本格的に始まった。八代目菊五郎さんの長男で、尾上丑之助から名を改めた六代目尾上菊之助さん(11)も出演。歌舞伎座は親子の晴れ舞台を一目見ようとする観客でにぎわった。

 公演は昼夜2部制で、昼の「京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」で親子は坂東玉三郎さん(75)と共演。華やかな舞踊を披露した。また八代目菊五郎さんは「勧進帳(かんじんちょう)」で、同級生でもある市川團十郎さん(47)の弁慶に対し、関守の富樫として出演。新時代の歌舞伎界を背負う両者の姿に大きな声援が送られた。

 夜の「口上」では、八代目菊五郎さんの父である七代目尾上菊五郎さん(82)が息子と孫の襲名を紹介。八代目菊五郎さんは「歴代の菊五郎が大切にしてまいりました伝統と革新にのっとり精進してまいります」、菊之助さんは「立派な歌舞伎俳優になれますよう、ご後援のほどお願い申し上げます」と述べると、場内からは「音羽屋」とのかけ声がかかった。次の「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」の「浜松屋見世先(みせさき)の場」では、八代目菊五郎さんが代々の当たり役である弁天小僧菊之助役を演じ、江戸のいなせな姿を見せた。続く「稲瀬川勢揃(ぞろ)いの場」では、今度は菊之助さんが弁天小僧にふんし喝采を浴びた。

 公演は27日まで。襲名披露興行は歌舞伎座「六月大歌舞伎」へ続く。【広瀬登】

毎日新聞

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