偶然に導かれて 人気漫画家・東村アキコさんが唐津に通う理由
人気漫画家・東村アキコさん(49)が3日、佐賀県唐津市で開かれている「第13回唐津やきもん祭り」(唐津観光協会主催)のトークショーに登壇した。連載中の漫画「銀太郎さんお頼み申す」に唐津焼や唐津が登場する縁で、ポスターなどに使われるメインビジュアルを2年連続で描き下ろした。全国から集まったファンら100人を前に「唐津愛」や制作秘話を語った。
東村さんは「ママはテンパリスト」「海月(くらげ)姫」「東京タラレバ娘」など数々のヒット作で知られる。「海月姫」「かくかくしかじか」は映画化もされている。
「銀太郎さんお頼み申す」は、月刊誌「ココハナ」(集英社)で2022年に連載開始。東京で暮らす若い女性が元芸妓(げいこ)・銀太郎さんと出会って着物や器などの和文化にハマり、学んでいくストーリーで、唐津焼や唐津は作中で何度も印象的に描かれる。
取材やプライベートで、連載開始前から6回ほど唐津を訪れ、唐津焼の窯元をいくつも見学したという東村さん。「これまでの作品は『取材』をあまりしてこなかった。取材先を悪く描けないから」といい「さすがに陶芸は取材せずに描くことはできず、初めて唐津に来た時に皆が優しくて『大丈夫かな』と思った」と語った。
大陸へ出兵した恋人との悲恋物語で知られる唐津の「佐用姫(さよひめ)伝説」が作中に登場することに話が及ぶと「評判が良く、全国の読者から反響があった」と明かした。車で移動中に「自由の女神のような像が立っていて『あれなんですか』と聞いても誰も分からず、ネットで調べた」のがきっかけだったという。
「そこから訪ねた陶芸家さんが、佐用姫のキャラクターが描かれたエプロンをしていたり、取材を兼ねて泊まった旅館の食事の部屋が『佐用姫の間』で、おかみさんが教えてくれたりと偶然が続いた」と振り返った。
東村さんは「銀太郎の連載は、おばあちゃんになっても続けるつもり。(毎年11月に開かれる)唐津くんちにも来たい」と約1時間のトークショーを締めくくった。
トークショーを前に2日、報道陣の取材に応じた東村さんは、唐津について「文化レベルが非常に高く、歴史的な価値のある物を間近で触れることができる街。まだ描いていないエピソードがたくさんある」。唐津焼の魅力は「たたずまいが静かで好き。歴史上のエピソードと現代の作家のスタイルがつながっていて、ロマンが詰まっている」と話した。
唐津やきもん祭りは5日まで。唐津焼陶芸家による展示販売や、唐津焼で特別メニューを食べられる料理店とのコラボ企画などがある。【成松秋穂】
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