シンガポール総選挙 一党支配の与党が圧勝 トランプ関税も影響か

2025/05/04 11:27 

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 3日に投開票されたシンガポール国会(1院制、定数97)の総選挙で、与党・人民行動党(PAP)が定数の約9割にあたる87議席を獲得して圧勝した。1965年の独立以来の一党支配体制が継続する。トランプ米政権の高関税政策などで世界情勢が混迷する中、安定を求める有権者が多かったとみられる。

 コロナ禍が続く中での2020年7月の前回選では、PAPの得票率は前々回選(15年)から約9ポイント下落した61・2%だったが、今回は65・6%まで回復した。

 一方、前回は過去最多の10議席を獲得した最大野党・労働者党は、10議席の維持にとどまった。長期政権に対する不満の受け皿として支持拡大が注目されたが、伸び悩んだ。

 昨年5月の就任後、初の総選挙で勝利したウォン首相は4日未明に記者会見した。「深く恐縮し、感謝している」と述べ、「この結果は、不安定な世界情勢に対峙(たいじ)する上でシンガポールをより良い立場に導く」と語った。

 貿易が経済の柱である小国シンガポールは、米国の高関税政策による打撃が懸念されている。PAPは選挙戦で「今は政治的な実験をすべき時ではない」と訴え、安定政権の必要性を強調した。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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