豪州史上初の現職野党党首落選 3度目の挑戦で当選の新人女性は誰?

2025/05/04 11:23 

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 3日のオーストラリア総選挙で、野党・保守連合(自由党と国民党)を率いるダットン自由党党首が下院選で落選した。現職の野党党首が議席を失うのは豪州史上初とみられ、小選挙区でダットン氏を破った労働党の新人アリ・フランス氏に注目が集まっている。

 現地メディアによると、フランス氏は障害者支援に取り組むシングルマザーで、ジャーナリストやパラアスリートの経歴を持つ。2011年、外出中に高齢ドライバーが運転する車の事故に巻き込まれ、当時4歳の息子をかばって片脚を失った。この経験をきっかけに、障害者支援や医療費負担の軽減を訴えるため、政治家を志したという。

 初の立候補は19年で、01年から議席を維持するダットン氏に挑んだが敗北した。22年にも敗れ、今回が3度目の挑戦だった。

 フランス氏は投開票日の3日夜、集まった支持者らに謝意を示した上で、「ダットン氏が引退するまで勝てないと言われてきた。彼は人気も知名度も、資金もありすぎたから」と述べ、これまでの選挙戦を振り返った。

 24年2月には白血病で長男を亡くした。「あまりにも大変だと感じた時はいつも、あなたのこと、あなたの勇敢さや前向きさを思い出した」と息子への思いも語った。

 今回の選挙では、アルバニージー首相率いる与党・労働党が圧勝した。ダットン氏は、米国のトランプ大統領をほうふつとさせる政策や言動が批判を浴び、人気低迷を招いたと報じられている。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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