ゼレンスキー氏、トランプ氏との直談判の内容明かす 手応えに自信も

2025/05/04 08:40 

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 ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、フランシスコ・ローマ教皇の葬儀に合わせた4月26日のトランプ米大統領との会談について、内容を記者団に明かした。対空防衛システムの供与などについて話し合ったという。

 ウクライナ国営ウクルインフォルム通信などによると、ゼレンスキー氏は、ウクライナが必要とする対空防衛システムの数をトランプ氏に伝えたと語り、「彼(トランプ氏)は取り組むと言った」と説明した。

 供与は、米国とウクライナが4月30日に署名した協定に基づき、両国が設立する基金への米国からの拠出分として扱われるという。

 両首脳の会談では、ロシアとウクライナの30日間の一時停戦が和平に向けた「正しい最初の一歩」であることも確認したという。

 ゼレンスキー氏は、ロシアが提案した、対独戦勝記念日の9日に合わせた72時間の停戦を拒否する考えを示した。モスクワでの式典に出席する外国要人の安全に「ウクライナは責任を持てない」と警告した。

 バチカンでの今回の会談は、米国が示したロシアによるクリミア半島の領有承認などを含む和平案をウクライナが拒否し、両国の緊張が高まる中で行われた。

 インタファクス・ウクライナ通信によると、ゼレンスキー氏は「トランプ大統領は物事を違ったふうに見始めたと確信している」と手応えを表現した。短時間の直談判でトランプ氏にウクライナの立場を理解させることができたとの自信をのぞかせた。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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