ワンコインで子育てサポート 北九州市の支援策がベスト育児制度賞

2025/05/06 07:45 

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 北九州市が2024年度に強化した子どもの送り迎えや預かりをワンコインで支援する「シン・子育てファミリー・サポート事業」が、一般社団法人「日本子育て制度機構」(大阪市)が選ぶ「全国に広がってほしい制度・取り組み」の「ベスト育児制度賞(少子化対策部門)」を受賞した。

 日本子育て制度機構は毎年、少子化対策▽孤立・困難抑止▽期待の新制度――の3部門で全国の自治体や団体が実施する子育てに関連した事業を表彰している。

 今回、市が受賞した事業は、子を持つ依頼者と、送迎や急用時に預かりをする支援者が会員登録して地域で相互援助する仕組み。支援者に資格は不要だが、定期的な研修を受ける必要がある。依頼に応じてアドバイザーがマッチングする。

 利用料は1時間500円(月~土の午前7時~午後7時で、時間外や病児対応は600円)と安価で、支援者の報酬も1時間1000円(同1100円)と政令市で最も高い。差額は市が負担する。

 また、自宅での預かりが不安な支援者に対し、認可外保育園などの場所を提供。一部では送迎の運転が不安な支援者にタクシー利用のため1回1000円を補助する。24年度は支援者775人が登録し、延べ約9000件の利用があった。

 受賞理由として、同様の制度がある自治体は少なくないが、価格設定に加え「支援側が安心して活動でき市民同士の子育て支援の輪が広がりやすい」とした。

 市は一部地域のみだったタクシー補助を4月から全市に拡大。今年度中に育休復帰前2カ月と復帰後1年間の利用を無償とするなど拡充を予定する。武内和久市長は「支えられる側、支える側両方にとってプラス。世代を超えて子育てをみんなで支える街にしたい」と話した。【山下智恵】

毎日新聞

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