全国唯一、林業行う網走刑務所 受刑者が伐採・製材、地元木材を活用

2025/05/06 09:15 

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 全国で唯一、刑務作業に林業を取り入れている網走刑務所が、北海道産木材の活用促進に一役買っている。昨年12月から、道と道産木材製品販路拡大協議会が推進する道産材のブランド「HOKKAIDO WOOD」に参加。刑務所で製造される漁業者向けのパレットを通じて、道産材をアピールしている。

 1890(明治23)年に開庁した網走刑務所では初期から敷地内の山林が活用され、伐採や炭焼きといった作業があったという。敷地内3カ所の山林計773ヘクタールでカラマツやトドマツを育てており、1951年には刑務所内に製材工場が設置された。

 2005年に新工場が完成した頃からは、漁業者が漁具などの収納に使うカラマツ材のパレット製造が主力になった。パレットは、オホーツク地方の3漁協向けに月30個程度を受注生産しており、伐採と製材には受刑者10人前後が携わっているという。

 「HOKKAIDO WOOD」は道などが道産材の魅力を広めるために創設した制度で、道産木材製品を扱う企業や団体・個人などにロゴマークの活用を呼びかけている。4月7日現在で、オホーツク地方37者を含む428者が登録している。

 オホーツク総合振興局の野村博明局長は「全国唯一の取り組みとの連携で道産材や1次産業の活性化につながる」と期待を寄せ、網走刑務所の中村寛之所長も「受刑者の地域貢献に結びつく」として新たなロゴマーク入り製品も模索している。【本多竹志】

毎日新聞

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