コウノトリのヒナに足輪装着 人工巣塔で生まれた3羽に 栃木・小山

2025/05/10 09:45 

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 小山市は9日、渡良瀬遊水地第2調節池内の人工巣塔で誕生した国の特別天然記念物コウノトリのヒナ3羽(生後42日)に、個体識別のための足輪を装着したと発表した。血液なども採取し、DNA検査で性別が判明後、今月下旬に命名式を行う予定。

 ヒナの親は、人工巣塔に定着しているオスの「ひかる」(9歳)とメスの「レイ」(6歳)。このペアの卵は3月28日にふ化したとみられ、1羽は4月4日、母鳥に巣塔から落とされて死んだが、その2日後に今回足輪を装着した3羽が確認された。

 足輪の装着作業は、市と渡良瀬遊水地コウノトリ・トキ定着推進協議会が主体となって実施。兵庫県立コウノトリの郷公園などコウノトリの飼育施設などで構成する専門機関が協力した。

 市によると、高所作業車を使って高さ12・5メートルの人工巣塔にいるヒナを網で捕獲し、地上に下ろして、番号と色で個体を識別できる足輪を両足に装着。また、体重などを計測したり、DNA検査のために血液と羽毛を採取したりした。

 3羽の全長と体重はそれぞれ、84センチ、4・3キロ▽80・5センチ、3・8キロ▽85・5センチ、4・6キロ。順調な生育ぶりが確認され、約1時間後に巣に戻された。

 同遊水地内でのヒナ誕生は6年連続。ひかるとレイのペアでは5年連続で、昨年は過去最多の3羽が巣立った。【松沢真美】

毎日新聞

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