綱取りの大の里「ここが原点ですから」 3枚目の優勝額に込めた思い
「原点ですから。3枚目は、これと決めていました」
大いちょうを整えながら大相撲の大関・大の里が引き締まった表情で語った。
春巡業の合間の4月上旬、東京都内のスタジオで優勝額の撮影があった。【飯山太郎】
3月の春場所で大関として初優勝した大の里にとって、初土俵から2年で早くも3枚目の優勝額だ。
11日に初日を迎える大相撲夏場所で、大の里は初の横綱昇進に挑む。10日には優勝額の贈呈式が東京・両国国技館であった。
三つの優勝額で身に着けている化粧まわしは、いずれも異なる。そこには自らの歩みに対する思いが詰まっている。
今回の撮影では「原点」である母校・新潟県立海洋高(糸魚川市)から2023年秋に贈られた化粧まわしを着用した。
交差する船のいかりを模した校章が青地にあしらわれている。同窓会や相撲部OB会などが資金を募って制作されたものだ。
日本海沿いの港町にある海洋高は、相撲の強豪として知られる。
12年の全国高校総体では村松裕介が鳥取城北高の逸ノ城(元関脇、23年引退)らを破り、高校横綱に輝いた。
有望な少年を同じ地区にある糸魚川市立能生(のう)中が受け入れ、海洋高が連携し、地域ぐるみで「中高一貫」の指導を実現してきた。
石川県出身の大の里も能生中、海洋高へと「相撲留学」し、競技人生の礎を築いた。
大の里は初優勝した24年5月の夏場所の優勝額には、土俵入りができる十両になって初めて後援者から贈られた時の化粧まわし姿で納まった。
2場所後の24年秋場所で2回目の優勝を果たすと、優勝額では地元・石川県津幡町の後援会から贈られた緑地に「火牛(かぎゅう)」をあしらった化粧まわしを締めた。
故郷の津幡町には、隣接する富山県小矢部市との境に倶利伽羅(くりから)峠がある。
ここは、源平合戦で木曽義仲の率いる源氏が、角にたいまつをくくり付けた牛とともに平家勢に夜襲を仕掛け、大勝した「火牛の計」の逸話で知られる。
「1枚目は最初にいただいたもの、2枚目はやはり故郷と考えていました。そして、(3枚目の海洋高は)自分が強くなった所であり、感謝しかないですから」
過去2枚の優勝額は大いちょうではなく、ちょんまげ姿だった。
大の里は日体大で19年に学生横綱となり、21、22年はアマチュア横綱に2年連続で輝いた。
その実績をひっさげてプロ入りし、髪が伸びるのが追い付かない異例のスピード出世を遂げてきた。
デジタル技術の発達もあり、近年は撮影した画像を力士はその場で見られる。
今回の撮影時、24歳の大関は「やっぱり、大いちょうは違いますね。お相撲さんって感じがしますね。いいっすね」と、顔をほころばせていた。
新入幕の嘉陽、十両の白熊は、自身と同じ「能生中―海洋高―日体大」の経歴を歩んできた。
将来性豊かな力士を輩出してきた海洋高だが、近年は全国レベルで苦戦が続く。昨夏の高校総体の団体戦はベスト16で敗退した。
「公立校なので指導者が人事異動で転勤することもあり、(強くあり続けるには)難しさもあると思います。そんな中で後輩に頑張ってほしいという思いもありました」
「3枚目」の化粧まわしには、母校に対する特別なエールも込められていた。
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