「ばあちゃん」の前で涙のプロ初サヨナラ打 DeNA・林

2025/05/09 23:01 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇◯DeNA4―3広島●(9日・横浜スタジアム)

 涙、涙のプロ入り初サヨナラ打だった。

 延長十回に及んだ熱戦にピリオドを打ったのは、直前の守りでもスーパープレーを見せたDeNA・林琢真。地元・愛知から、母方の祖父母らが観戦に訪れた試合でヒーローインタビューに立ち、「ばあちゃんが、足が悪くて見に来るのが最後になるかもと言われていたので、打てて良かったです」と目を真っ赤にしながら喜んだ。

 延長十回1死二塁。甘い変化球をとらえると打球は左中間を割る。走者が生還すると、二塁に到達していた林は仲間たちに駆け寄り、手荒い歓迎を受けた。

 直前の守備では、2死二塁のピンチで三塁側のカメラマン席に飛び込みながらフライをキャッチ。「何とか受け身をとった」が、ボールはこぼさなかった。

 今年は年明けに、昔、一緒にキャッチボールをしていた父方の祖父が亡くなった。一方、自らは結婚。覚悟をもって迎えたシーズンだった。

 だが、開幕してみると途中出場が大半。この試合も八回に代走で登場した。それでも「毎日、今日が最後の試合だという気持ちでグラウンドに立っている」と必死に食らいついてきた結果、歓喜の立役者となった。

 今季出場25試合目は、いいことずくめのようにも見えるが、林は向上心の塊。「これを一番いい日にしないように頑張ります」とさらなる活躍を誓った。【岸本悠】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>