ひめゆり館長「納得していない」 西田氏の歴史書き換え「事実」主張

2025/05/09 21:07 

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 「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)に関する自身の発言を巡り自民党の西田昌司参院議員が9日に開いた記者会見を受け、ひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳(ちょうけい)館長は報道陣の取材に応じ「納得していない」と不満を述べた。

 西田氏は「(シンポジウムで)説明なしにひめゆりの塔の名前を出したこと」を謝罪、撤回した一方、「歴史を書き換えている」と認識したひめゆりの塔の展示内容があったのは「事実」と述べて撤回しなかった。普天間館長はこの点を「過去にも現在にもそのような展示はない。ひめゆり学徒隊や沖縄の人の戦争体験を否定するような話だ」と批判した。

 また「戦後80年がたち、戦争体験者が生身で語っていた時代じゃないからそういう発言が出たのか」と危惧し、「体験者が積み上げてきた証言などのバトンを引き継ぎ、戦争の実相を伝えていきたい」と話した。

 沖縄県の玉城デニー知事はコメントを発表。「議員の発言は、戦争体験者や遺族、沖縄県民の心を深く傷つけ、憤りを禁じ得ない」などと指摘し、西田氏に「戦争体験者の証言や史実に基づいて凄惨(せいさん)な沖縄戦の実相を伝えてきた沖縄県平和祈念資料館、ひめゆり平和祈念資料館などを改めて訪れ、平和を希求する県民の強い思いに向き合っていただきたい」と求めた。【喜屋武真之介】

毎日新聞

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