名人戦第5局前夜「2人ともピリピリしていた」 立会の藤井猛九段
「今回は2人ともピリピリしていたね」
名人戦初挑戦の永瀬拓矢九段(32)が前局でシリーズ初白星を挙げ、藤井聡太名人(22)の3連覇に待ったをかけて迎えた茨城県古河市での第83期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の第5局。
永瀬九段が連勝すれば、シリーズの行方は一気に混沌(こんとん)としてくるが、立会の藤井猛九段(54)は対局前日の28日、電子機器を預かる手荷物検査に立ち会った時の両対局者にいつもとは違う雰囲気を感じたといい、「互いに大事な一局だと考えていると思う」と話した。
千日手指し直しの末、終盤、形勢が二転三転した前局。「藤井名人が終盤に間違えた将棋だった。すごく意外だった。普通の終盤戦で普通の逆転負けをした」と藤井九段。終盤、藤井名人は自陣に迫った(2三の)竜に対し、2二歩と打って追い返さなかった。「なぜ危険な橋を渡ったのかが分からない。2二歩と打っていたら勝っていた。あえて危険な道に踏み込んだ方が勝ちが早いという側面もあるが、その先で間違えた。以前にはなかった失敗だと感じた」と驚きを隠さない。
この将棋について、藤井名人は第5局の検分後の取材に「指しやすくなった局面で方針を決められなかった」と反省していた。
第5局は永瀬九段の先手番で角換わり戦になった。後手番の藤井名人の作戦が注目されたが、藤井九段は「今回は前夜祭でも戦型をいろいろ予想したが、藤井名人は普通に角換わりを受けて立つのが一番意表を突くという意見もあった。今期シリーズは後手番で変化を付ける傾向があったから、一周回って逆に意表を突きにきたと感じた」との見解を示した。
永瀬九段は7月5日に開幕する王位戦七番勝負でも挑戦者に名乗りを上げ、2日制七番勝負は王将戦から3棋戦連続でタイトル保持者の藤井名人に永瀬九段が挑戦する顔合わせになった。永瀬九段は検分後の取材で、「藤井名人の影は見えてきたが、背中が見えるのはタイトルに王手をかけたとき」と話した。
藤井―永瀬の戦いについて、藤井九段は「将棋って、実力差がなくてもスコアが一方的になることもある。永瀬さんはメチャクチャ強くて、藤井名人以外の棋士には圧倒的な成績を残している。対藤井戦で流れを変えて、『あれ? 永瀬さんが藤井名人にも勝てちゃう』となるか。いつ、そのきっかけが来るか」と話す。
その一方で、羽生善治九段(54)の全盛期は、藤井九段自身を含め、ライバルが同世代だったのに対し、永瀬九段が藤井名人より10歳年長である点を指摘。「同じ世代でやっている方が、勝ったり負けたりしやすい。藤井名人を倒すのであれば、名人より若い人の方が可能性を感じる。10歳年長の永瀬さんが勝てないのは、その分の負担が多少関係していると思う」と話した。【新土居仁昌、丸山進】
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