天皇ご一家、対馬丸記念館を初訪問 犠牲者悼む「小桜の塔」で供花も

2025/06/05 11:44 

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 戦後80年にあたり沖縄県を訪問中の天皇ご一家は5日午前、太平洋戦争で米潜水艦に撃沈された学童疎開船「対馬丸」の犠牲者を悼む「小桜の塔」(那覇市)で供花された。花束を手向け、深く頭を下げて拝礼。その後、対馬丸記念館を見学した。

 対馬丸は1944年8月21日、1788人を乗せて那覇港を長崎に向けて出港。翌22日夜、鹿児島県・トカラ列島の悪石島(あくせきじま)沖で撃沈された。記念館によると、犠牲者は氏名が判明しただけで1484人で、うち学童は784人。

 両陛下も愛子さまも、小桜の塔や対馬丸記念館を訪ねるのは初めて。記念館には亡くなった子供たちの遺影や遺品が並んでおり、ご一家は静かに見入っていた。

 また、記念館では生存者や遺族、語り部たちと懇談。4歳の時に家族で対馬丸に乗り、両親と7人のきょうだいを亡くした高良政勝さん(85)の言葉に耳を傾けた。高良さんは長年、歯科医をしながら記念館の運営に携わってきた。

 ご一家は午後、2019年の火災で焼失した首里城の再建現場を見学し、帰京する。【山田奈緒】

毎日新聞

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