障害抱える人も気軽に投票所へ 広がる「投票支援カード」の取り組み

2025/06/21 11:15 

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 障害などを抱える人にも気軽に投票してもらおうと、都内の自治体で「投票支援カード」を郵送する動きが広がっている。支援カードは代理投票や筆談など必要な支援を記入し投票所係員に伝えるもので、都議選(22日投開票)を前に、各自治体は投票所入場券と一緒に支援カードを発送するなど、準備を進めている。

 「筆談ボードを使ってほしい」「投票用紙に代わりに書いてほしい」。板橋区が有権者に郵送した支援カードには選択肢が記載され、チェックマークを入れて投票所係員に渡すと、必要な支援を受けられる。具体的な要望を記入する自由記述欄もある。

 都議選で支援カードを郵送したのは23区のうち、墨田▽品川▽世田谷▽渋谷▽中野▽北▽荒川▽板橋▽練馬▽葛飾▽江戸川――の11区。板橋区選管の担当者は「郵送なら全有権者に届けることができ、投票が困難な人や不安に思う人の投票のハードルを下げられる」と説明する。

 郵送していない他の区もホームページで支援カードをダウンロードできるようにしたり、投票所に置いたりするなど対応に当たっている。ただ、障害者の政治参加を推進する「障害をもつ人の参政権保障連絡会」(新宿区)事務局長の芝崎孝夫さん(75)は「障害のある人の中にはホームページを見られない人もいる。支援が受けられることを知らず、投票に行かない人もいると思う。支援があることを事前に広く知らせてほしい」と指摘する。【原奈摘】

毎日新聞

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