座間9人殺害、白石死刑囚の刑執行 法相「社会に大きな不安与えた」

2025/06/27 18:21 

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 鈴木馨祐法相は27日、神奈川県座間市のアパートで2017年に男女9人の遺体が見つかった事件で強盗・強制性交等殺人などの罪に問われ、死刑が確定した白石隆浩死刑囚(34)=東京拘置所=の刑を同日執行したと発表した。死刑執行は、東京・秋葉原の無差別殺傷事件で22年7月に加藤智大(ともひろ)元死刑囚(当時39歳)に執行されて以来、2年11カ月ぶり。石破政権発足後は初めて。

 死刑は1993年以降、ほぼ毎年執行され、近年では異例の空白期間となっていた。強盗殺人などの罪で死刑が確定し、24年に再審無罪となった袴田巌さん(89)の存在が影響しているとの指摘が出ていた。

 鈴木法相は27日、記者会見で「性的、金銭的欲求を満たす身勝手な理由から9人もの人命を奪い、社会にも大きな衝撃と不安感を与えた。慎重な上にも慎重な検討を加えた」と述べた。「23日に執行命令書にサインした」とし、24年末に東京拘置所の刑場を視察したことも明らかにした。

 白石死刑囚は東京地裁立川支部の裁判員裁判で起訴内容を認め、20年12月に死刑判決を言い渡された。弁護人の控訴を自ら取り下げ、翌21年1月に1審判決が確定していた。

 確定判決によると、白石死刑囚は17年8~10月、交流サイト(SNS)で自殺願望をほのめかした当時15~26歳の男女9人を自室に誘い、女性8人に性的暴行をしたうえ、9人の首をロープで絞めて殺害。遺体を切断し遺棄した。

 法務省によると、今回の執行で確定死刑囚は105人となり、うち49人が再審を請求。白石死刑囚が再審請求していたかどうかを明らかにしていない。【三上健太郎、北村秀徳】

毎日新聞

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