SNSにあふれる中傷 問われる個々人の人権感覚 生活保護費判決
「いのちのとりで」が守られた――。生活保護費の減額を違法と断じた27日の最高裁判決。過去最大の基準額引き下げが始まってから12年を経ての司法による救済に、受給者側には「裁判所が役割を果たしてくれた」と安堵(あんど)の声が広がった。
生活保護費の減額を違法とした27日の最高裁判決は、人間が人間らしく生きるため、行政が果たすべき役割を示した。適正な支払いを求める受給者に対し、国は誠意を持って対応していく必要がある。
生活保護費が増える中、自民党は2012年の衆院選で、生活保護の給付水準10%引き下げを公約に掲げて政権に復帰した。厚生労働省は減額調整の一部を専門家部会に諮らず実行した。最高裁の「合理性を欠く」との指摘は重い。
憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を定め、給付の実務を定めた生活保護法はその理念に基づく。生存権をないがしろにすれば経済的弱者はさらに弱い立場に置かれ、個人の尊厳は踏みにじられる。訴訟で争われたのは違法、適法の結論だけではない。人権を大切にする国なのか否かだ。
SNS(交流サイト)には原告らに対し「もらえているだけありがたいと思え」といった投稿があふれる。弁護団は申請をためらう人が出てくるのではと危惧する。不当な生活保護バッシングは新たな人権侵害につながりかねない。私たち一人一人が生存権の意味を考えたい。【巽賢司】
-
「娘は帰らないけど、区切りには」 墓前で執行報告の夫婦 座間事件
「娘は戻ってこない。何も変わりません」。神奈川県座間市の9人殺害事件で、当時高校3年生だった一人娘を奪われた福島市の男性(70)は、白石隆浩死刑囚(34)の死…社 会 5時間前 毎日新聞
-
長崎・大村の同性カップル 就労目的「移転費」不支給で国提訴
雇用保険法に基づいて就労のため「移転費」の支給を申請した際、同性であることを理由にパートナー分を不支給処分としたのは違法として、申請した長崎県大村市の男性カッ…社 会 5時間前 毎日新聞
-
「本当によかった」静岡の原告涙 生活保護減額、最高裁の違法判決に
最高裁が27日、生活保護費の引き下げを違法とする初の統一判断を示したことで、継続中の静岡県内訴訟も原告勝訴の方向で終息していく見通しとなった。 県内では20…社 会 5時間前 毎日新聞
-
北九州空港で初の戦闘機訓練 空自がタッチ・アンド・ゴー実施
航空自衛隊築城基地(福岡県築上町など)のF2戦闘機2機が27日、北九州空港(北九州市、同県苅田町)の滑走路(2500メートル)でタッチ・アンド・ゴー(連続離着…社 会 5時間前 毎日新聞
-
「成功の秘訣は楽しむこと」 元NZ代表がラグビー教室で指導 東京
ラグビーのニュージーランド(NZ)代表「オールブラックス」の元メンバーらによるラグビー教室が27日、東京都内で開かれた。 NZラグビー協会に協賛する大正製薬…社 会 5時間前 毎日新聞