ポーズもお手の物 香港の英雄馬、余生ゆったり 北海道・苫小牧
観光バスが並ぶ大型駐車場から目と鼻の先に、その世界的名馬はいた。ゴールデンシックスティ。昨年まで現役の競走馬として、最もグレードが高いGⅠレースを10勝した香港の英雄馬だ。そんなレジェンドがなぜ、北海道の観光施設で暮らし始めたのか。受け入れた「ノーザンホースパーク」(北海道苫小牧市)で聞いた。【安高晋】
放牧地で悠然と草をはんでいても、観光客がスマホを向けると近付いてくる。ポーズもお手の物だ。元競走馬ではない、観光客のための乗馬用の馬ジョンと仲良く「ルームシェア」している。
「来た当初は気性が荒かったけど、順応力が高くて今はのんびり。車がそばを通ると、最初は『あ、バスだー』と反応していましたが、もうすっかり慣れました」。乗馬運営課の田澤直沙美(まさみ)さんが教えてくれた。
一方で、観光客が途絶えると、時折立ち止まり、遠くを見つめる仕草も。レースに出ていた頃を思い出しているようにも見える。
競走馬としての成績は圧巻だ。2019年にデビュー以来、すべて香港で走り、16連勝するなど31戦26勝。獲得賞金は世界最高の30億円に達した。日本の並み居る一流馬も挑んだが、一度も勝てなかった。24年に引退。今年2月、馬との触れ合いを楽しめるノーザンホースパークにやって来た。
引退した海外の競走馬を日本に迎えることは、父となる種牡馬や母となる繁殖牝馬としては一般的だが、同馬は去勢された「せん馬」で、極めて珍しい。
「香港には功労馬が余生を過ごすような牧場がないらしく、親日家だった馬主がここの自然や涼しさを気に入ったと聞いている」。マーケティング室の高宮望マネージャーは、預かることになった経緯をそう説明する。
パークは新千歳空港から車で15分の距離にあり、日本を代表する競走馬の生産育成牧場「ノーザンファーム」(安平町)が母体。香港からの訪れやすさや、スタッフ・施設の充実度も評価されたようだ。
「来てくださった方が一番見やすい場所に」というパークの吉田勝己代表の意向で、駐車場そばの玄関口とも言える場所に放牧され、5月から一般公開が始まった。「へえ、そんなにすごい馬なの?」と紹介の看板を見て驚く人もいれば、香港から来たファンが感極まる姿も見るという。
さいたま市の会社員、堀内健司さん(38)は「日本馬が全くかなわなかった名馬がこんな間近でみられるなんて。余生を送る地に日本を選んでくれてうれしい」と感慨深そうだった。
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