クマの人里出没「注意を」 東北5県、すべてブナの実「大凶作」予測

2025/07/15 18:15 

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 東北森林管理局(秋田市)は、福島県を除く東北5県のブナの結実について、5県すべてで「大凶作」となると予測した。ブナは各地で人里に出没しているツキノワグマの餌となることから、実がなる秋以降、出没する頻度がさらに高まる可能性もある。開花時に全県で「大凶作」なのは、2023年度以来2回目。

 同局は毎年、ブナの開花と結実状況を145カ所で調べている。今年4月から6月にかけての開花調査では、青森、岩手、宮城の3県で木全体にたくさんの花がついている場所はゼロで、秋田と山形は1カ所にとどまった。一方で、花が全くついていない場所は山形で8割以上、岩手と秋田では7割以上を占めた。

 同局によると、ブナは豊作の翌年に凶作になることや、5~6年の周期で起きることなどが経験的に分かっているが、その理由は不明だという。担当者は「開花時に『大凶作』だった年は結実時にも不作となる。東北ではブナの結実量と人里に出没するクマの数には因果関係があることが分かっている。注意が必要だ」としている。【佐藤岳幸】

毎日新聞

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