「女子の理科嫌い」は無意識の偏見? 学力テストは男子の成績上回る

2025/07/31 17:03 

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 文部科学省は31日に公表した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の詳細結果で、回答状況のほか各教科への関心や自信について初めて男女別に分析した。理科の正答率・スコアは女子が男子を上回り、算数・数学でも大きな差は見られなかったが、「好き」「得意」と回答する割合は逆に女子が男子を下回った。

 同じように正答していても、女子の理数系教科に対する苦手意識が強いことが浮き彫りになった形だ。「女子は文系」といった旧来型のアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が影響した可能性がある。

 正答率・スコアをみると、算数・数学は男子が女子を0・4~1・7ポイント上回った。理科は女子が男子を上回ったが差はわずか。いずれも文科省は「大きな差は見られない」とした。

 これに対して、算数・数学を「得意だ」とした児童生徒の割合は男子が女子を19・8~21・7ポイント上回り、理科も男子が女子より7・3~17・8ポイント高かった。「授業の内容がよく分かる」「好きだ」と答えた児童生徒も同様に男子が女子より多かった。

 一方、国語の正答率は女子が男子を5・4~7・8ポイント上回り、「得意だ」「好き」「よく分かる」とする児童生徒の割合も女子が男子を上回った。

 文科省の担当者は「保護者や学校、地域からアンコンシャスバイアスに基づく言葉を投げかけられることで、本人が苦手意識を持つ可能性がある」と指摘。「社会に根付いたものを変革するのは時間を要するが、(理数系分野で)活躍している女性との交流機会を提供するなどし、差を解消したい」としている。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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