津波注意報、1日半ぶり全面解除 カキ養殖のいかだ被害も

2025/07/31 21:03 

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 7月30日朝に発生したロシアのカムチャツカ半島付近を震源とする地震で、気象庁は31日午後4時半、太平洋側の一部で継続していた津波注意報を全て解除した。30日朝から出された注意報や警報は、1日半ぶりに全面解除となった。

 気象庁によると、30~31日に北海道から沖縄県の22都道府県で津波を観測した。最大は岩手県・久慈港の1・3メートルで、次いで仙台港の90センチ。北海道根室市、青森県・八戸港、茨城県・鹿島港、東京都・八丈島では80センチを観測した。第1波以降により高い津波が各地に押し寄せ、地震翌日の31日に10以上の地点で最大波となった。

 地震は30日午前8時25分ごろ、北海道根室市から北東に約1500キロの地点を震源として発生。地震の規模はマグニチュード8・7と推定され、気象庁は北海道から和歌山県にかけて13都道県の太平洋沿岸に津波警報、四国や九州、沖縄県などに注意報を発表した。

 気象庁は30日午後8時45分までに警報を全て注意報に切り替え、31日午前10時45分に一部を解除、午後4時半に全面解除とした。

 津波の影響で北海道・苫小牧と茨城県・大洗を結ぶフェリー4隻が入港できず、最大で約20時間遅れた。運航会社の「商船三井さんふらわあ」によると、29日夜と30日未明に各2隻が両港を出発。通常は片道20時間弱だが津波で着岸できず、4隻の乗客乗員計約900人は海上の船内で待機し、31日午前に着岸して下船した。

 宮城県気仙沼市や三重県鳥羽市では、カキ養殖用のいかだが複数流され一部が破損した。鳥羽市での被害は約300枚。津波の被害とみられ、カキの収穫に影響する可能性がある。

 避難先では熱中症対策が課題の一つとなった。林芳正官房長官は31日午前の記者会見で、避難中に熱中症で11人が搬送されたと明らかにした。避難所となる学校の体育館などへの空調の設置が求められている。【最上和喜、近藤綾加、渋谷雅也】

毎日新聞

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