最低賃金の目安 6%前後上げ幅で議論 4日に再協議

2025/08/01 23:38 

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 厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」の小委員会は1日、2025年度の最低賃金(時給)の目安について協議したが、結論を持ち越した。全国加重平均で6%(63円)前後の上げ幅で議論が進むが、使用者側は6%超に慎重な姿勢を示しており、議論は難航している。もし実現すれば昨年度の5・0%(50円)を超え、上げ幅は過去最大。全国加重平均で1118円前後となる。4日に再協議する。

 最低賃金は、企業が労働者に支払う賃金の下限額。小委員会は労使と有識者の代表で構成する。賃金の動向や労働者の生計費、企業の支払い能力を考慮し、地域の経済状況に応じて都道府県をA~Cの3ランクに分けて目安を示す。この目安を踏まえて各都道府県の審議会が上げ幅を決定し、10月ごろから発効する。

 7月中旬から始まった今年度の小委員会で、労働者側は長期化する物価高を踏まえ、「労働者の生活は昨年以上に苦しくなっている」と主張。昨年を上回る大幅引き上げを求めた。一方、使用者側は引き上げの必要性を認めつつも、中小企業で価格転嫁が十分に進んでいないことなどから慎重な姿勢を示す。例年7月下旬に示される目安だが、今年度は審議が長期化している。

 最低賃金を巡って、政府は「20年代に全国平均1500円」との目標を掲げている。達成には今年度を含めて単純計算で毎年度7・3%の引き上げが必要となる。【塩田彩、宇多川はるか】

毎日新聞

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