「経済指標の政治利用と腐敗だ」 クルーグマン氏が痛烈批判
トランプ米大統領が労働統計局の局長の解任を決めたことについて、ノーベル経済学賞を受賞した著名経済学者のポール・クルーグマン氏は1日、「経済指標の政治利用と腐敗だ」と痛烈に批判した。「さようなら。信頼できる経済指標」とのタイトルのニュースレターを配信し、経済統計への政治介入の弊害を訴えた。
クルーグマン氏は、雇用環境の急激な悪化を示した7月の雇用統計について「米経済が好調と自慢してきたトランプ大統領とその周辺にとって極めて不愉快だった」と分析。「このため、彼らがやることは一つしかなかった。労働統計局のトップを解任し、『政治目的のために数字を操作した』と根拠もなく非難したのだ」との見方を示した。
雇用や物価に関するデータを集める労働統計局について「彼らが常に正しいとは限らない。だが、複雑な経済を追跡しようと努力し、今朝のように過去の数字を修正することもある」と説明。「極めて専門的な超党派組織であり、この業界では誰もが経済指標のゴールドスタンダード(絶対的基準)とみなしている」として、労働統計局が提供する客観的なデータの重要性を強調した。
だが、トランプ氏によるトップ解任により、この信頼が大きく揺らぐ恐れがあると表明。「スタッフは正直な報告を続けるかもしれないが、それを信用できるだろうか。特にトランプ氏の『回し者』が責任者となり、発表内容にフィルターをかけるとしたら」と懸念を示した。
さらに「今後、私は民間調査の方に注意を払うことになるだろう」として、経済情勢の判断材料として、政府発表データより民間調査データを重視する可能性を示唆した。
クルーグマン氏は、トランプ政権は都合の悪い経済指標が出てくればそれを偽る恐れがあると、以前から警告していた。「経済指標に関するトランプ氏の腐敗は徐々に進行すると予想していたが、そうではなく、報告された数字が気に入らないという理由で一気にトップを解任してしまった」と指摘した。【ワシントン大久保渉】
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