高齢者虐待 加害者の6割は息子や娘 背景に「8050問題」か
全国の自治体が2023年度中に確認した「高齢者虐待」(介護施設分は除く)のうち、6割弱は加害者が高齢者の息子か娘だった。
国の調査から明らかになった推計で、高齢者が死亡した事例もあった。
高齢の親が自立の難しい子の世話をする「8050問題」と関連しているとの見方もある。
調査は、虐待の通報義務を定めた06年施行の高齢者虐待防止法に基づいて実施。全国の自治体に寄せられた通報・相談に基づいて高齢者虐待の状況をまとめた。
調査結果によると、23年度に虐待を受けたと確認された高齢者は1万7455人。虐待の具体的な内容は「身体的虐待」が65%を占めて最多で、「心理的虐待」「介護放棄」と続いた。86%が加害者と同居していた。
一方、加害者は「息子」が最も多く、ついで「夫」「娘」の順。「息子」と「娘」を合わせると57%に達した。
虐待を受けた高齢者のうち、27人は死亡していた。
23年11月に大阪府の自宅で、末期がんだった母(当時78歳)が無理心中を図った息子(53)に殺害された事件では、息子が母親の介護・世話に当たっていた。
息子を鑑定した精神科医によると、息子と母は他者との交流が必要最低限にとどまり、互いが存在しない世界を想像できないほど密接な関係にあったという。
8050問題に詳しい愛知教育大の川北稔准教授(社会学)によると、8050問題に該当する世帯では、無職や未婚の子を親が長く支えている場合だけでなく、子が離婚や失業を機に親と同居し、やがて親子双方が孤立する場合も少なくないという。
「こうした世帯では、親の介護に苦戦したり、親の死をきっかけに子どもが取り残されたりすることがある。問題を早めに察知し、支援する体制整備が大切だ」と話している。【岩崎歩】
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