雷キャッチして利用も夢じゃない!? 「空飛ぶ避雷針」実験に成功
夏の夕立にはつきものの雷。落雷場所によっては電子機器や風力発電施設が故障したり、スポーツやイベント会場で人身事故につながったりする厄介者だ。国内の被害額は毎年2000億円とも推定される。雷エネルギーは巨大で、平均的な雷放電1回当たりのエネルギーは約400キロワット時と、一般家庭の電気使用量約1カ月分に相当するという。ビリビリと空を走る稲妻を、つかまえて利用できたらいいのに――。そんな空想を現実にする研究が進んでいる。
取り組むのは、通信設備の落雷対策に取り組んできたNTTの宇宙環境エネルギー研究所。昨年12月、ドローンを「空飛ぶ避雷針」として自然の雷を誘発・誘導する実験に、世界で初めて成功した。
実験チームは、ドローンの機体をアルミ製のかごとアンテナで囲い、かごの下に垂らしたワイヤで地上に電流を流す仕組みを考案。雷が直撃した際の電流をかごに迂回(うかい)させることなどで、ドローン本体を守ることができる。雷雲の中にドローンを飛行させてワイヤのスイッチで電気的につなぐと、ドローン周辺の電気的な状態が急激に変化し、雷が誘発されるという仕組みだ。
島根県浜田市の山間部で行った実験では、雷1発を誘発することに成功した。数百アンペアの電流が流れたと推定され、ドローンを覆うアンテナ5本のうち1本の先端が溶断したものの、雷を受けた後も安定して飛行を続けることができた。この雷に耐える仕組みは、平均的な自然雷の5倍に当たる150キロアンペアの人工雷にも耐えることができた。
キャッチした雷を、どう蓄えるか。超高電圧・電流の雷エネルギーは、現在の技術では直接充電できないという。
今後のアイデアの一つは、金属タンクに巻いたコイルに雷の電流を流して、発生した電磁力でタンク内の空気を圧縮、その気圧でタービンを回して発電する方法だ。フライホイールという装置で回転エネルギーに換える案もある。いずれも瞬間的な電気エネルギーを、運動エネルギーなどに変換して蓄積することを目指している。
チームのリーダーを務める長尾篤主任研究員は「屋外イベントや風力発電施設などを守るときには、雷雲の状況を見極めて受け止め、充電目的の時にはたくさん雷を誘発することも考えられる。将来的には大型トラック程度の充電車を携え、雷から重要施設や社会を守ることができたら」と展望する。【三股智子】
-
杉山愛さんら、高野山夏季大学で講演 「ピンチはチャンスへの転機」
和歌山県高野町で開かれている「第99回高野山夏季大学」(毎日新聞社、総本山金剛峯寺主催)は2日目の2日、元プロテニスプレーヤーの杉山愛さんや小説家の京極夏彦さ…社 会 8時間前 毎日新聞
-
マンホールに転落の4人、死亡を確認 業務上過失致死容疑も視野
2日午前9時25分ごろ、埼玉県行田市長野で、下水道管を点検していた作業員から「同僚がマンホールに落ち、助けに行った3人も戻らない」と119番があった。県警行田…社 会 8時間前 毎日新聞
-
青森ねぶた祭が開幕 「ラッセラー」のかけ声響く 観光客ら拍手
日本を代表する夏祭りの一つで国指定の重要無形民俗文化財「青森ねぶた祭」が2日、青森市で開幕した。7日までの期間中、色鮮やかに装飾された大型ねぶた(高さ5メート…社 会 9時間前 毎日新聞
-
八代亜紀さんの思い出の品、熊本で展示 レコ大受賞のメダルや絵画も
2023年に亡くなった八代亜紀さん(享年73)を紹介する「八代亜紀想(おも)い出ギャラリー」が2日、出身地の熊本県八代(やつしろ)市の市役所内にオープンした。…社 会 9時間前 毎日新聞
-
天の川を流れる「参拝者の願い」、光で演出 福岡・太宰府の竈門神社
縁結びの神として知られる福岡県太宰府市の宝満宮竈門(かまど)神社で1日、旧暦の七夕に向けた光の演出「祈りのともしび」が始まった。7日までの日没~午後10時。 …社 会 11時間前 毎日新聞