八代亜紀さんの思い出の品、熊本で展示 レコ大受賞のメダルや絵画も

2025/08/02 19:04 

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 2023年に亡くなった八代亜紀さん(享年73)を紹介する「八代亜紀想(おも)い出ギャラリー」が2日、出身地の熊本県八代(やつしろ)市の市役所内にオープンした。鮮やかなステージ衣装や絵画作品など、八代さん側から寄贈されるなどした約30点を展示。歌手として、画家として活躍した八代さんの歩みを古里から発信する。

 市は没後の24年に八代さんに名誉市民の称号を贈り、地元経済団体とともにメモリアル事業を進めている。ギャラリーはこの一環で、市役所1階の約35平方メートルを改装した。

 展示スペースは「舟唄」や「雨の慕情」など主要曲のレコードジャケットで装飾されている。スペース北側は歌手のコーナーとして「舟唄」で受けた日本レコード大賞金賞のメダルや紅白歌合戦出場のトロフィーなどを陳列した。

 生前の八代さんをしのばせるステージ衣装は、九州豪雨(20年)の復興支援イベントで着用した情熱的な赤色のドレスと、きらびやかな装飾が施された白色のドレスの2点を中央に展示。今後、時期による入れ替えで、他の衣装も披露されるという。

 南側は絵画展の入選作品(複製)や画材など画家としての活動を伝える品々を飾った。八代さんは画家としても一流の腕前を持ち、フランス画壇の登竜門「ル・サロン展」に5年連続で入選し永久会員に認定された。八代市で自身の名前を冠した絵画コンクールも開くなど古里を大切にしてきた。

 オープニング式典で、八代さんが所属した事務所で専務を務めた茂木崇幸さん(54)は「八代さんも『上』から見て大変喜んでいると思う」とあいさつ。式典後は早速市民やファンが訪れ、熊本市南区の主婦(72)は「きれいな衣装を見て生前を思い出した。改めて惜しいな、と思います」と見入っていた。

 この日は市役所そばの「お祭りでんでん館」敷地内で、八代さんの記念碑などもお披露目された。整備費はギャラリーが約700万円、記念碑などが約660万円。いずれも実行委が募った寄付金が充てられた。

 ギャラリーは市役所開館時間(土、日曜含む午前8時半~午後10時)に無料で鑑賞できる。【中村敦茂】

毎日新聞

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