マンホール転落の4人が心肺停止 落ちた作業員救おうとしたか 埼玉

2025/08/02 17:30 

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 2日午前9時25分ごろ、埼玉県行田市長野で、下水道管を点検していた作業員から「同僚がマンホールに落ち、助けに行った3人も戻らない」と119番があった。県警行田署と地元消防によると、50代の男性作業員4人が地中の下水道管に落下した。午後4時ごろまでに全員が救助されたが、いずれも心肺停止の状態で病院に搬送された。

 下水道管は地上から約10メートルの深さにあり、直径2・6メートル。汚泥や汚水の深さが1・8メートルほどとみられる。

 この日は、午前9時から土木工事会社の作業員7人が老朽化の点検作業をしていた。マンホール内のはしごを伝って下りた1人が下水道管に落ち、助けようとした3人も相次いで落下したとみられる。

 堆積(たいせき)物や硫化水素ガスの発生により、救助作業は一時難航した。下水道管の中は、低酸素状態も想定されるといい、県警は作業員らの装備や事前の検知作業が十分だったかなど、落下の経緯を調べる。

 市下水道課によると、この日の作業は、同県八潮市で1月に起きた県道の陥没事故を受けて国が要請した緊急点検の一環だった。

 現場は、秩父鉄道行田市駅から南東1・7キロにある県立行田特別支援学校の南西側で、新忍川沿いの一角。【柿崎誠、稲垣衆史、肥沼直寛】

毎日新聞

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