猛威ふるうロマンス詐欺 被害は年間400億円 40~60代に集中

2025/08/06 11:00 

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 交流サイト(SNS)で恋愛感情を抱かせる「ロマンス詐欺」が、収まる気配をみせない。大阪市内の80代男性はSNSに趣味の写真などを投稿していたところ、女性を名乗る人物らに現金約68万円をだまし取られた。

 記者が男性にSNSを確認させてもらうと、「大切なのは幸せ、愛」などと投稿が頻繁に届いていた。背後にいる詐欺グループは、被害者に親しみを抱かせようと言葉巧みに忍び寄っていた。

 メッセージの送り主はやり取りを2人だけの秘密にするよう依頼しており、詐欺の露見を防ごうとする形跡もあった。

 警察庁によると、ロマンス詐欺の被害件数は2024年に3824件(前年比142・8%増)が確認され、400億9000万円(前年比126・1%増)がだまし取られた。1件当たりの被害額は1000万円を超える計算だ。

 被害者の年代は男女いずれも40~60代が半数以上を占めた。

 相手からの接触手段は、マッチングアプリ(34・3%)▽インスタグラム(22・3%)▽フェイスブック(20・5%)--の順に多く、被害時には9割以上がLINE(ライン)で連絡を取り合っていた。

 ロマンス詐欺を含むSNSを巡る詐欺全体の被害額は1271億9000万円(前年比179・4%増)。1日当たりだと3億4752万円(前年比178・7%増)となる。

 認知件数では大阪府の1024件が最多で、兵庫県(914件)、東京都(877件)と続いた。【井手千夏】

毎日新聞

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