それでも出ない熱中症「特別」アラート 条件厳しすぎ?見直し論も
最高気温が40度を超える地点が全国で続出している。5日は群馬県伊勢崎市で41・8度に達し、国内の観測史上最高記録を更新。東京都青梅市など計14の観測点で40度以上となった。6日も日中の気温がぐんぐんと上昇している。
◇「特別」は運用から1年が過ぎても沈黙
列島中が連日危険な暑さに見舞われているのに、まだ一度も発表されていない熱中症の警戒情報がある。環境省が2024年4月から運用を始めた「熱中症特別警戒アラート」だ。酷暑のただ中で、なぜアラートは「沈黙」したままなのか。
このところ毎日のように発表されているのは、熱中症「警戒」アラートだ。こちらは気象庁と環境省が21年4月から運用している。都道府県内のどこかの観測点で、翌日の暑さ指数(気温や湿度、日差しの強さなどから算出される指標)が「33以上」になると予想された場合に発表される。24年度は延べ1722回発表され、5日は過去最多となる44都府県に出た。
一方、「特別」警戒アラートはその上位の位置づけだ。前例のない危険な暑さが広域で見込まれる場合、前日午後2時ごろに環境省が発表する。発表時は市区町村に冷房を備えた施設の開放が義務づけられる。
ただし、発表のハードルが高い。都道府県内の全ての観測点で暑さ指数が「35以上」になると予想されることが条件だ。環境省の担当者は「特別警戒アラートは欧州の熱波のように多くの死傷者が出たり、医療現場が逼迫(ひっぱく)したりする状況を想定したもの」と説明。警戒アラートと比べて段違いの暑さが念頭にある。
◇「永久に出ない」の声も
環境省の熱中症対策に関する検討会で委員を務める松本孝朗・中京大教授(環境生理学)は「特別」が発表されにくい理由に、基準が都道府県単位であることを挙げる。
松本教授によると、標高の高い観測点がない埼玉県のような自治体もあるが、大半は同じ都道府県内でも標高の高い観測点と平地の観測点があり、指数に差が出やすいという。「標高が100メートル上がると気温は0・6度ほど下がるとされる。標高500メートルの山間地に観測点がある場合、平地との気温差は約3度になる。市街地のある平地で暑さ指数が35になっても、山間部では35に達しない」
松本教授は3月にあった検討会で、特別警戒アラートについて「標高の高い地点があると、その県には特別警戒アラートがおそらく永久に出ない」と訴え、他の委員と共に、標高の高い観測点を対象から外すよう提案した。
こうした指摘に対し、浅尾慶一郎環境相は5日の閣議後記者会見で「効果的な呼びかけの手法などについて引き続き検討を進めたい」と述べた。環境省は特別警戒アラートの運用について話し合う検討会を今年度中に開く考えだ。【大野友嘉子】
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