自己検証に限界の「大川原冤罪」報告書 実効性ある再発防止策を
化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)を巡る冤罪(えんざい)事件で、警視庁は7日、公安部長ら幹部への報告が形骸化し、実質的な捜査指揮が不存在だったとする検証報告書を公表した。
◇冤罪の体質消えず
大川原化工機の冤罪(えんざい)事件に対する警視庁の検証結果は、原因を組織の機能不全と結論付けた。捜査機関が暴走すれば一般市民にあらがうすべはない。にもかかわらず総括には背筋が寒くなる内容が並ぶ。冤罪をなくすにはどうすればいいのか。自己検証に基づく「再発防止」「真摯(しんし)な反省」では限界がある。
検証結果は、警視庁公安部で捜査を主導した外事1課5係長が公安上層部や担当検事と立件に不利な消極要素を共有しなかったとした。公安が密行性が高い部門だとしても、容疑者の反論に耳を傾け、消極証拠に向き合うことは捜査の「イロハ」だ。言い訳にもならない。
公安上層部や担当検事は5係長の報告を厳しくチェックせず、警視庁は「捜査指揮の不存在」、最高検は「消極証拠の確認不足」とした。人を容疑者、被告の立場に置くことができる権力組織として信じがたい不作為だ。警視庁は最も重くて退職した5係長らの「減給」の懲戒処分相当、検察に至っては処分ゼロと一般感覚と乖離(かいり)する。
消極証拠を隠し、逮捕や有罪獲得を優先する。過去の数々の冤罪事件が示した構図だ。今回起訴は取り消されたものの、体質が簡単に消えないことを証明した。折しも国会や法制審議会で再審法制の見直し議論が本格化している。実効性のある再発防止のため、客観的な検証機関の設置や関与者の適正な処分のあり方を併せて議論する必要がある。【島田信幸】
-
「当たり前の言葉並んでいるだけ」 大川原側、検証報告に失望隠さず
冤罪(えんざい)の根源には踏み込まず――。「大川原化工機事件」で警視庁が7日に発表した検証報告書では、肝心な点が未解明のまま残された。捜査に疑問を持ってきた捜…社 会 6時間前 毎日新聞
-
読売新聞、米国の生成AI事業者を提訴 「サイトの記事を無断利用」
ニュースサイトの記事を無断で生成AI(人工知能)サービスに利用されたとして、読売新聞社の東京、大阪、西部各本社は7日、アメリカの生成AI事業者「Perplex…社 会 7時間前 毎日新聞
-
被爆体験者が石破首相と面会へ 発言機会はなしか 長崎市の式典後に
長崎原爆の日(9日)に長崎市で開かれる平和祈念式典の後、石破茂首相が被爆者団体代表から要望を聞く場に、「被爆者」と認めるよう訴えている「被爆体験者」の団体代表…社 会 7時間前 毎日新聞
-
騒音大きい垂直着陸「耐えられない」 最新鋭F35B配備、地元が懸念
航空自衛隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Bが配備された空自新田原(にゅうたばる)基地(宮崎県新富町)やその周辺では7日、住民らが騒音の状況に耳をそばだてた。3機…社 会 7時間前 毎日新聞
-
福間香奈清麗が4連覇 史上初の女流8冠制覇の可能性も
将棋の第7期清麗戦五番勝負(大成建設主催)の第3局が20日、神奈川県箱根町で指され、福間香奈清麗(33)が挑戦者の渡部愛女流四段(32)を92手で降し、対戦成…社 会 9時間前 毎日新聞