万博「リング」、保存は北東側約200メートルで調整 最大76億円

2025/08/26 15:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 大阪・関西万博の大屋根「リング」の一部保存や活用について、大阪府と大阪市が北東側の約200メートルに絞り込む方向で調整していることが、関係者への取材で明らかになった。改修費は最大約76億円が見込まれるという。府市は会場跡地の開発を担う民間事業者を公募する際、屋根に上がれるプランを求める方針で、公募が不調に終わった場合は市が管理する案も出ている。府市は近く、国や経済界、日本国際博覧会協会(万博協会)の関係者らが集まる会合で提案する。

 リングは当初、万博の閉幕後にすべて解体される予定だった。しかし、人気の高まりを受けて今年6月以降、北東側の約200メートルの保存を軸に検討し、それが実現しなかった場合は南側の約350メートルを残す方向で協議していた。

 関係者によると、府市は費用面などから北東側約200メートルに一本化する方向で調整している。民間事業者が一部保存や活用の案に応じなければ、リングの部分を公募の範囲から除外し、市が市営公園として管理する案が出ているという。

 また、北東側の改修費について、万博協会は建築基準法に基づく「建築物」として保存する場合は最大76億円かかると試算した。展望台などの「準用工作物」として扱えば約41億円になるという。準用工作物は追加の防火対策が不要となるため費用は抑えられるが、屋根の下側に出店するような活用はできない。【鈴木拓也】

毎日新聞

社会

社会一覧>