プロ野球・阪神タイガースの２年ぶりのセ・リーグ優勝を祝う記念パレードについて、兵庫県の斎藤元彦知事は８日、報道陣に「警備費や物価高騰を踏まえ、兵庫での開催は慎重に考えたい」と否定的な考えを示した。大阪府の吉村洋文知事は実施を検討する意向を表明している。

　斎藤氏は阪神優勝について「大変喜ばしい」と述べた。一方で、パレード実施については「大阪は大阪でご判断された。兵庫は県スポーツ賞特別賞の授与で祝意を伝えたい」とも述べた。

　同県は２０２３年の阪神とオリックス・バファローズのリーグ優勝時には、大阪府などと実行委員会をつくって両府県で記念パレードを実施した。

　だが、翌２４年に斎藤氏らの疑惑を内部告発した文書で、県がパレード費用の寄付の見返りに補助金を増額したと指摘された。斎藤氏らは全面否定し、調査した第三者委員会も見返りの関係があったと認められないと結論づけた。一方で、市民団体が斎藤氏らを背任容疑で刑事告発。県警は斎藤氏らを同容疑で書類送検し、神戸地検が刑事責任の有無について慎重に捜査している。【山田麻未、栗田亨】