岩手・不来方高バレー部員自殺 当時の顧問、前任校での指導も調査へ
岩手県立不来方(こずかた)高校=学校統合で今年3月閉校=バレーボール部員の新谷翼さん(当時17歳)が2018年に自殺した問題で、県教育委員会は16日、当時顧問の男性教諭=懲戒免職=について、前任校の県立盛岡第一高校での指導も新たに第三者委員会を設けて検証する方針を明らかにした。
県教委などによると、新谷さんは18年7月、自宅で自殺した。第三者委は19年1月から23回開かれ、遺族や顧問ら計73人から聞き取り調査をした。全校生徒対象のアンケートも実施して、部活動での指導と自殺との因果関係などを調べた。
県教委に20年7月に提出された報告書は、当時の顧問による「背は一番でかいのにプレーは一番下手」「使えない」「お前の代わりなんていっぱいいる」などの発言や叱責、チーム敗退の責任を新谷さんに押しつけた発言が人格を否定、自尊感情を奪ったと認定した。
その上で指導の手段として社会的相当性を欠き、指導の域を超え、教員としての裁量を逸脱したと指摘。遺書の内容などからも「顧問の発言で増大した自己否定感や孤立感などが自殺の背景・原因と裏付けられた」とした。新谷さんに不適切な言動を繰り返したとして、顧問は22年6月に懲戒免職になった。
報告書によると、顧問は不来方高に異動する前に勤務していた盛岡一高でも、バレーボール部員に暴言を吐いたとして民事訴訟を起こされた。県に40万円の支払いを命じる控訴審判決が確定。減給1カ月の懲戒処分を受けていた。
今年7月に盛岡一高バレーボール部に関する検証委設置を求める請願が県議会で採択されたことから、県教委は新たな第三者委の調査費300万円を補正予算案に盛り込んだ。可決後、弁護士などで構成する第三者委を速やかに設置する方針。
県教委は「第三者委の意見を踏まえて、再発防止の取り組みをさらに前に進めたい」としている。【山田英之】
◇相談窓口
・24時間子供SOSダイヤル
いじめやその他の悩みについて、子どもや保護者などからの相談を受け付けています。原則として電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関につながります。
0120・0・78310=年中無休、24時間。
・子どもの人権110番
「いじめに遭っている」「家の人に嫌なことをされる」など、先生や親には話しにくい相談に法務局の職員や人権擁護委員が応じます。
0120・007・110=平日の午前8時半~午後5時15分
・まもろうよ こころ(https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/sns/)
さまざまな悩みについて、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介する厚生労働省のサイトです。年齢や性別を問わず、自分に合った団体を探せます。
・こころの悩みSOS(https://mainichi.jp/shakai/sos)
悩みを抱えた当事者や支援者への情報のほか、相談機関を紹介した毎日新聞の特設ページです。
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