特別展「宋元仏画」20日開幕 東アジア最高峰と称される仏教絵画

2025/09/19 17:11 

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 東アジア最高峰とも称される仏教絵画が並ぶ特別展「宋元(そうげん)仏画-蒼海(うみ)を越えたほとけたち」(京都国立博物館、毎日新聞社など主催)が20日、京都国立博物館(京都市東山区)で開幕する。中国の宋、元時代に描かれ、日本で大切に伝えられてきた名品など170件が一堂に集まる。

 宋では知的エリート層の活躍で洗練された高度な文化が花開き、元では国際色豊かな文化が栄えた。日本では平安時代から南北朝時代にあたり、仏法を求め海を渡った僧侶たちが数々の文物を持ち帰った。中国では王朝の交代などのためほとんどが失われたが、日本で特別な価値を見いだされ現代まで受け継がれた。

 会場では、慈悲と威厳に満ちた仏の姿を精緻に描いた「孔雀(くじゃく)明王像」(国宝、仁和寺所蔵)や、クセの強い仙人が印象的な「蝦蟇鉄拐(がまてっかい)図」(重要文化財、百萬遍知恩寺所蔵)など、信仰対象や特別な掛け物として愛され続けた作品を間近に見られる。

 19日には開会式と内覧会があり、同館の松本伸之館長は「世界的に見ても優れた作品が生み出された時代。海を越え、日本で大切に守られてきた世界に誇る遺産を一点一点丁寧に味わっていただきたい」と話した。

 11月16日まで。会期中に展示替えがある。問い合わせは同館(075・525・2473)。【花澤茂人】

毎日新聞

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