スタッフは認知症 岩手の「注文のやんべな料理店」 1日限定で開店
認知症の当事者が飲食店員として1日限定で働く「注文のやんべな料理店」が21日、岩手県北上市の古民家の飲食店「コビル」であった。「やんべ」は、ちょうどいい具合や適度を意味する岩手県の方言。「やんべにな(ほどほどでいいよ)」という言い方で使われる。主催した地元のグループは、注文を間違えたり、不手際があったりしても「まあ、いいか」と受け入れて、認知症の人に寛容な社会になることを願っている。
21日の世界アルツハイマーデー(認知症の日)に合わせて企画した。2019年以来2回目の開催。新型コロナウイルスの感染拡大で開催を見合わせていた。
主催したグループのリーダー、菊地和恵さん(54)は地元の訪問診療クリニックの事務職員。母親(90)が12年前に認知症と診断され、「母は認知症になっても働きたいと言っていた。やりたいと思うことをやることで気持ちが前向きになると思う」と話す。開催した理由を「認知症の人は何もできないと思われがちだけれど、できることはある。自信を持ってもらいたい」と説明する。
認知症の人と接した経験がない人も、飲食店の客としてなら気軽に訪れやすく、当事者が働く姿を間近で見てほしいという狙いもある。
参加した認知症の当事者は4人。福祉関係などの仕事に携わるスタッフ15人に支えられながら、注文を聞いたり、カレーライスやタコライスなどの料理を運んだりした。
認知症当事者の大塚千春さん(69)=北上市=は、配膳や後片付けを担当した。働く様子を見守っていた夫(75)は「妻は前頭側頭型認知症で、言葉の意味を理解するのが難しい状態。社会とつながりを持つことで、助けられることがある」と言う。
別の認知症当事者の女性は「飲食店で仕事をするのは初めて。自分にできるかなという思いもあったが、人と交わることは楽しい」と笑顔で働いていた。
北上市内から訪れた男性客(64)は「注文を間違えることもなく、やるべきことが分かっていると感じた」と当事者の接客に感心していた。次回の開催は未定だが、主催したグループは今後、定期的な開催を検討している。【山田英之】
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