路面清掃で談合か 公取委、清掃4社と首都高速道路会社に立ち入り

2025/09/30 11:00 

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 首都高速道路の清掃事業を巡る一般競争入札で談合を繰り返した独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして、公正取引委員会は30日、事業を受注した4社と、その関係先として事業発注者の「首都高速道路会社」(東京都千代田区)を立ち入り検査した。関係者への取材で判明した。

 受注側は、スバル興業(千代田区)▽京葉ロードメンテナンス(東京都中央区)▽日本ハイウエイ・サービス(同新宿区)▽首都ハイウエイサービス(横浜市)。公取委はこの4社に加え、首都高速道路会社の談合への関与についても調査するとみられる。

 首都高の清掃は、道路の機能維持や交通事故の予防が目的とされる。路面を清掃する「スイーパー」や泥を吸引する「バキューム車」などの特殊な車両を用いて路面や排水管、トンネルの清掃作業を行うほか、冬季には凍結防止剤の散布といった雪対策も含まれる。

 談合の疑いがあるのは、こうした清掃事業の一般競争入札。技術や価格などを点数化して決める総合評価方式で行われ、首都高速道路会社が公開している入札状況調書によると、複数年契約で、1社当たりの発注額は十数億円から20億円超となっている。

 関係者によると、4社は数年以上前から、各社の担当者間で事前に受注予定者を調整。互いの競争を制限した疑いがある。

 入札は首都高を四つの区間に分けて実施されており、各社はそれぞれ、希望する区間の受注をもくろむなどしていた。例えば、神奈川県を通る区間については、横浜市に本社を置く首都ハイウエイサービスが受注できるよう、各社で調整した疑いがある。

 また、入札をスムーズに成立させたり、談合の発覚を回避したりするため、各社の担当者間で話し合い、他社が受注予定の区間についても「ダミー」として数社が入札に参加するケースがあったとみられる。

 首都高速道路会社は、総延長320キロ超に及ぶ首都高の維持管理や修繕、新設などを担う。道路関係公団の分割・民営化に伴い、首都高速道路公団の事業を継承して2005年に設立。政府と地方公共団体が合わせて3分の1以上の株式を常時保有する。【山田豊】

毎日新聞

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