石井章元参院議員を在宅起訴 秘書給与830万円詐取の罪 東京地検

2025/09/30 15:36 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 国から公設秘書の給与約830万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は30日、石井章元参院議員(68)=辞職、日本維新の会を除名=と側近の大川香留(かある)・事務統括(60)を詐欺罪で在宅起訴した。国会議員が公設秘書の給与詐取で起訴されるのは、昨年の自民党元参院議員、広瀬めぐみ氏(59)=有罪確定=に続き2年連続となる。

 関係者によると、石井元議員は周囲に秘書給与詐取を否定。特捜部の任意の事情聴取にも、詐欺容疑を認めていなかった模様だ。ただ、特捜部は関係者の供述や物証から、逮捕をしなくても詐欺罪の立証が可能と判断したとみられる。

 起訴状によると、石井元議員と大川被告は共謀。2021年4月に元議員の親族の男性を公設第2秘書として参院事務局に届け出たが、実際は名義を借りただけで、国から22年10月までに親族名義の口座に振り込まれた計約830万円をだまし取ったとされる。

 親族は、元議員が理事長を務める社会福祉法人の従業員で、特捜部は秘書としての勤務実態はなかったとみている。

 関係者によると、元議員側は元議員が自ら親族に名義貸しを依頼した上で、親族名義の口座の通帳やキャッシュカードの提出を求めた。地元事務所(茨城県取手市)に勤務する大川被告が口座を管理し、秘書給与を事務所経費の支払いなどに充てていたとみられる。

 特捜部は8月27日、東京・永田町にある石井元議員の参院議員会館事務所や、地元事務所を家宅捜索した。元議員は2日後に議員辞職を表明した。

 石井元議員は取手市議を経て、09年衆院選で民主党(当時)から出馬して初当選し、1期務めた。16年参院選では日本維新の会の前身のおおさか維新の会から比例で出馬して当選し、22年参院選で再選していた。【北村秀徳、岩本桜、五十嵐隆浩、佐藤緑平】

毎日新聞

社会

社会一覧>