外観要件「違憲」判断 高井ゆと里さん「画期的とは思わない」
札幌市内に住む性同一性障害の当事者2人が戸籍上の性別を変更するよう求めた家事審判で、札幌家裁が特例法に定められた変更のための外観要件を「違憲」と判断し、19日付で性別変更を認めた。倫理学者でトランスジェンダー研究をする高井ゆと里さんに見解を聞いた。【聞き手・谷口拓未】
今回の札幌家裁の判断は当事者にとって大きな前進で、意義がある。
女性から男性、その逆の2例で、性別変更の要件を定めた特例法の5号規定(外観要件)を違憲としたが、2004年の特例法施行後、女性から男性への性別変更ではホルモン療法を要求し続けていただけに、たくさんの人が救われる。
当事者の世界ではホルモン療法なしでも男性として生活している人がいるのは常識だ。
誰の目にも明らかなことを明示した札幌家裁は評価できるが、判断自体を画期的とは思わない。
23年に最高裁が特例法の4号規定(生殖能力要件)を違憲と判断したことを考えれば、外観要件も違憲になるのは当然と言えるからだ。
最高裁は外観要件に踏み込まず、審理を差し戻された24年7月の広島高裁判決は外観要件について違憲とは判断せず、無理な解釈で手術なしの性別変更を認めた。
札幌家裁は5号規定の判断を中ぶらりんにしたまま運用を続けていくのは無理があると、立法府に時間切れを示した。
23年の最高裁判断を受けて特例法が改正されることが望ましかったが、立法府はそうしなかった。
それ以前から、裁判所は改正しなければ違憲状態になるというメッセージを発していたが、ないがしろにすらしてきた。
今回の札幌家裁の判断は個別の決定とはいえ、同じ理屈で申し立てがあれば、他の裁判所でも同様に違憲とされる可能性が高い。
当事者にとって高いハードルだった医療的な措置の要件が適用されない状態だから、悪くない状況と見る向きがあるのも事実。
ただ、性自認に従った扱いを受けるという重要な法的利益の尊重のために、立法府が責任を持って法改正すべきだ。
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