入浴介助で男性を高温の湯に入れ死なせた疑い 介護福祉士逮捕 大阪

2025/09/30 16:51 

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 入浴介助中に男性を高温の湯の中に入れて死なせたとして、大阪府警は30日、大阪市福島区の介護福祉士、三宅悠太容疑者(38)を傷害致死の疑いで逮捕した。「けがをさせてやろうといった気持ちはなかった」と容疑を否認している。

 逮捕容疑は6月2日午前、大阪市東成区内の特別養護老人ホームで、半身まひの70代男性を入浴介助中に高温の湯を張った浴槽内につける暴行を加え、全身やけどを負わせて死亡させたとしている。

 府警捜査1課によると、施設では湯の温度が約45度以上にならないように設定していたが、容疑者がこの設定を解除して50度以上にしたとみて詳しい状況を調べている。

 三宅容疑者は施設の職員ではなく、日雇いアルバイトで入浴介助を担当。亡くなった男性を1人で入浴させていた。

 男性は要介護4の認定を受けており、介助がなければ入浴できず、専用リフトに乗せられた状態で全身浴をしていた。全身の約77%にやけどを負って病院に搬送されて治療を受けていたが、23日後に死亡した。

 司法解剖の結果や府警が専門家に意見を聴取したところ、男性が当時、50度以上の湯の中に数分間入れられていたことが判明したという。

 逮捕前の任意の事情聴取に三宅容疑者は「ストッパーを解除して高温の湯を張った。被害者の搬送後に熱湯だとばれるとまずいので、設定を適温に戻した」などと説明しており、府警は故意性が認められるとして傷害致死容疑を適用した。

 施設の代表は取材に「容疑者は介護職専門のバイトアプリを通じて応募してきた。亡くなられた方にはおわびしたい。できる限りの対応をし、安全対策を講じていきたい」と話した。【斉藤朋恵、大坪菜々美】

毎日新聞

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