飯塚事件 再審開始の可否を今年度内に決定へ 福岡高裁

2025/09/30 17:04 

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 福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で略取誘拐や殺人の罪に問われて死刑が確定し、2008年に執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(執行時70歳)の第2次再審請求の即時抗告審で福岡高裁(溝国禎久裁判長)は30日、裁判のやり直し(再審)を認めるかどうかの決定を26年3月末までに出す方針を示した。

 高裁での裁判所、検察との非公開の3者協議後、弁護側が明らかにした。弁護側によると、この日で即時抗告審は協議を終えた。

 第2次再審請求は元死刑囚の妻が21年7月に申し立てた。弁護側は新証拠として、確定判決で被害女児2人の「最後の目撃者」とされた当時20代の女性が「見たのは事件当日ではない」などと内容を翻した新証言を提出。福岡地裁は24年6月、新証言の信用性を否定して再審開始を認めない決定を出し、弁護側が即時抗告した。

 弁護団の徳田靖之弁護士は3者協議後に開いた記者会見で「我々はできる限りの力を尽くしたが、高裁は審理らしい審理をしていない」と批判した。【森永亨】

毎日新聞

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